常念岳プライベートガイド(2025.10.19)

日本百名山登頂を目指すK様と、57座目となる北アルプス・常念岳に登ってきました。K様と百名山を登るのは今回で5座目。これまでの山行を通じてK様の山のスキル、体力、メンタルの強さはよくわかっていたので、今回は(通行止めになっている一ノ沢ではなく)、キツめの三股ルートからのルートで、登頂後は320mの標高差のある常念小屋まで下りてまた登り返すトータルで14kmの距離、獲得標高約2000m、コースタイム約12時間の山行をご案内しました。

天候は予報では前日までの雨が明け方には上がり、その後は晴れ/曇り。しかし、予想に反し朝4時に待ち合わせした時はしっかりとした雨。雨はそのうち上がると信じて登山開始。いきなりの急登を登りながら標高2000mくらいで雨雲を抜けると、蝶ヶ岳、常念岳、前常念岳、そして穂高連峰が見えてきました。ここからは岩場の登り約800m、風はやや強いが気温は高く絶好の登山日和でした。

約5時間半後、常念岳登頂。標高2800mからは北アルプス全景(乗鞍から槍・穂高、大天井岳〜燕岳の稜線、鷲羽岳〜野口五郎岳の裏銀座、針木岳〜鹿島槍ヶ岳の稜線、その後ろには白馬三山、そして立山と剱岳)が全部見えました。東側は雲海で下界はみなかったものの、信越、志賀高原、北関東(日光、上州武尊、尾瀬、皇海山、浅間山)、八ヶ岳、富士山、南アルプスの絶景。北アルプスは何度も登っていますが、これほどの眺望は指で数えられるほどでした。

常念小屋では温かい食事をいただいて、登り返しと下山。樹林帯に入り雲海の中に入るとしとしと雨。体は濡れるほどではなくても、登山道はまるで田んぼのぬかるみ。滑りやすい石や木の根、K様はしっかりとした足取りでぬかるみの中、泥だらけになりながら4時間かけて午後4時に無事に下山しました。

北アルプスの中でも常念岳はアプローチしやすい山ですが、日帰りとなると10時間コースになります。三股コースは途中山小屋がないため、小屋に立ち寄るにはいったん常念乗越に下りなければなりません。そうなるとプラス2時間。気軽に日帰りできるコースではありません。でも、北アルプスの中でももっとも絶景といえる眺望が待っています。

百名山、57座目登頂おめでとうございます!