2026年10月18日(日)、北岳登頂を目指しているK様ご夫妻と、高山トレーニングとして八ヶ岳・天狗岳の日帰りツアーに行ってきました。6月にご主人をご案内した棒ノ嶺〜高水山縦走に続き、今回は奥様もご一緒です。
あずさ1号で茅野へ向かい、タクシーで唐沢鉱泉の登山口へ。今回は黒百合ヒュッテを経由し、東天狗岳、西天狗岳を周回するコースを歩きます。歩行距離は約8km、標高差は約900m。山歩きに慣れてきたお二人にとって、体力的にはそれほど大変なコースではありません。しかし、天狗岳へ向かうゴツゴツした岩稜歩きや、東天狗岳からのザレ場の下り、西天狗岳からの急で長い下りなど、3000m級の高山にも通じる変化に富んだ登山道が続きます。また、稜線では風の影響も受けます。
天狗岳から目標である北岳を見ることに加え、樹林帯から森林限界を越えた高山の地形や風の変化を体験していただくことも、今回のツアーのねらいです。天気は快晴。気温は12〜15℃。稜線ではやや風があったものの、暑くもなく寒くもない絶好の秋山登山となりました。
黒百合ヒュッテで名物のビーフシチューを食べたあと、天狗岳を目指します。中山峠を越えて樹林帯を抜けると、360°の大パノラマ。目の前には東天狗岳と西天狗岳がそびえ、北には乗鞍岳から白馬三山まで、北アルプスの山々が一望できました。標高を上げるにつれ、さらに展望が広がります。蓼科山や浅間山、奥秩父の山々。そして東天狗岳の山頂からは、硫黄岳、赤岳、阿弥陀岳といった南八ヶ岳の山々と、南アルプスの雄大な山並みが広がっていました。その中には、お二人が目指す北岳の姿もはっきりと見えます。
「あそこに北岳が見えますよ」 「かっこいい山ですね!」とK様。
「1泊にするならどこに泊まるのがいいですか?」 「肩の小屋がいいですね。でも2泊できれば、間ノ岳まで行って、国内第2位と第3位の山を一気に登れますよ」。そんな会話を楽しみながら、みんなで北岳を眺めました。遠くに見えるその山が、いつか実際に登る山になる。そんな期待が膨らむひとときでした。
東天狗岳を下り、西天狗岳へ向かいます。ここは岩場もあるやや急な登りで、ほどなく山頂に到着。西天狗岳は比較的人が少ない山頂ですが、この日はなんと貸切り状態。素晴らしい展望を独占できました。「これまで登った中で一番の景色」と奥様。いつまでも眺めていたい景色ですが、下山後のタクシーの時間もあるため、後ろ髪を引かれる思いで下山を開始します。
ここから唐沢鉱泉までは約2時間。まずは急なザレ場の下りです。すでに4時間以上歩いていますが、お二人とも足取りはしっかりしています。西天狗岳から唐沢鉱泉へのルートは、下山とはいえ途中に登り返しもあり、足場の悪いところも少なくありません。けっして楽な下りではありませんが、景色を楽しみながら、歩きやすいところでは少しペースを上げて歩き続けました。
下山中も単調にならないよう、いろいろな話をしました。山小屋での過ごし方、おすすめの山小屋、高山病のこと、山道具やウェアのこと……。これから北岳を目指すお二人にとって、どれも役立つ話題です。そんな話をしているうちに、唐沢鉱泉に無事下山。お二人とも「まだまだ歩けそう」とのこと。タクシーの時間が決まっているという緊張もあったと思いますが、最後までしっかりとした足取りでした。
「北岳はもう登れますよ」
もちろん、3000mを超える国内第2位の標高の高山ならではの準備は必要です。ですが、今回の山行で、お二人が北岳登頂に向けて着実に力をつけていることを実感できました。いつか、今日天狗岳から眺めた北岳の山頂に、お二人が立つ日が来ることを楽しみにしています。
天狗岳日帰り登山、お疲れ様でした!







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